皆様、こんにちは。ようやく梅雨に入りましたね。
弊社は麹を諸味に育てるために、天然の気候を利用して発酵させております。その為、梅雨前に仕込みを終えますが、
この5月末からの本格的な梅雨が、丸中醤油では一番重要と考えている発酵の基礎である要の時期でございます。 蔵の内部もありがたいことに、じとじと・ぬめぬめ・と大変な湿気を帯びてまいりました。 丸中醤油では、機械を利用せず、まったくの蔵内だけの醸造菌の力だけで発酵させるものですから、この梅雨の季節だけは、気を抜くことが出来ません。(数年前の空梅雨の季節は、毎日祈るような思いで日々過ごしておりました。)
丸中醤油では、梅雨の温度が上がり、湿度が上がる際に麹が第一発酵いたします。仕込みは、いわば準備段階・・そしてこれからが、蔵の職人たちの本格的な諸味育てが始まります。発酵が激しくなると≪ 櫂入れ ≫の作業を毎日頻繁に手入れしなければなりません。同じ時期に・同じ生産者の原料で仕込みをしているにも関わらず、この梅雨の時期以降に入りますと、桶ごとに発酵の仕方など違ってくるのでそれは本当に不思議です。
諸味育てを、人間の子育てにたとえると、産声を上げて寝返りをして・・といったまだまだ赤ちゃんレベルですが、日に日に活発に動く諸味の手入れに、重労働ではありますが。私たち蔵の職人たちは、諸味育て(絞る前を諸味と申します)を喜びながら、大切に手をかけて育てております。今、季節感もなくなって・・・という御嘆きの声などよく聞きますが、丸中醤油の蔵内だけは、今も江戸時代のままの光景そのままで製法を守っております。
時代が変わっても変わらぬ味を届けてまいりたいと思います。