皆様、こんにちは。丸中醤油の神野明です。
蔵だよりで仕込みの様子をお知らせするように、社長から言われておりましたが毎日の作業に追われるばかりで、対応が遅くなり誠に申し訳ございませんでした。
テレビで見ると関東の方は先々週に桜は散ってしまったそうですが、現在、蔵元がある滋賀県のこちらはすっかり春の陽気で桜満開の時期になり『 仕込み 』もあと少しとなりました。
やっぱり『 仕込み 』は大変だと、この時期やっぱり毎年思い知らされます。毎日腰をつかっての手作業が多い、丸中醤油で普段鍛えていると自負している私でさえも、『 仕込み 』の辛さは半端ではありません。腰もいたければ体も重くなり伝統製法で続けることの大変さを思い知っております。以前、効率のよい機械化された中規模の醤油工場を見学したことがありますが、塩ですら、はるか見上げる大型ダンプカーの荷台から砂のような感覚で巨大槽に落しているのを目撃しましたが、近代的機械化された工場と伝統的製法を続けるものとは何もかもが比較になりません。まったく次元が違うものと強く思っております。私どもは、『これが本来の姿』と私たちの製法と味を信じ、弱音をはかず、蔵の人間は頑張っております。
この時期、頑張った成果が三年後に美味しい醤油をお客様に届けられるように頑張ってまいります。 - 丸中醤油職人 神野明 -2008/ 4/11
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(右画像は麹です。)大豆を蒸し、小麦を炒り、菌が全体に付着すると白くなります。この状態になったら室からだします。が、今度は温度に気をつけながら麹を担ぎあげ桶に入れていかなければなりません。桶が一杯になるまでその作業の繰り返しです。
特に重要なのが、この麹を入れる前に、『塩吊り』で塩が完全に溶けていないといけませんので段どりとタイミングが重要になってきます。このような流れで桶に麹を入れる作業を『仕込み』と言います。
丸中醤油では、この仕込みは完全に春に終えてしない、温度と湿度が上がる梅雨に第一発酵をうまくさせてやるよう気を使わなければなりません。いつもいつも諸味(仕込みを終えてからは麹を諸味と呼んでいます)と真剣に向き合って気が抜くことは出来ません。今、仕込みも天然の気候に頼ってのモノづくりを行っているところはあまりない事と思いますが、丸中醤油では、自然の力と職人の勘と経験による伝統の古式製法と誇りでモノづくりを行い『醤油を育てております。』