こんにちは。蔵人の神野です。
蔵だよりが大変御無沙汰してしまい申しわけございません。
2月半ばから今年の仕込みが始まりました。
先週からは「塩吊り」という弊社丸中醤油独自製法の作業です。
これは伝承製法の一つで、仕込み桶に水をはり天日塩を徐々になじませながら
塩をとかし、微生物にいわゆる塩慣れさせていく作業になります。
吊った麻袋に天日塩を投入し始めはズッズっと音しながら調子よく溶けていきますが
後半から溶けきるまで数日かかってしまいます。
この時代、便利で効率の良さを求められる中、
「塩」ひとつでもゆっくりじっくりなじませていくこの方法は、
微生物を生き物、そして醤油を育ててもらうという考えを継承し、
曲げない丸中醤油ならではの、畏敬の表れだと考えております。
もちろん味の完成度への影響は計り知れません。
このようなひとつひとつの緻密な作業を重ねていく丸中醤油の製法を
しっかり勉強し、完全に自分のものにしていけるよう頑張っております。
本年は、例年と比べ非常に暖かい中仕込みが始まり
去年とは違った表情をだしてくるかもしれませんので、
特に気をつけて見ていきたいと思います。
蔵人全員美味しい醤油をお届けできるよう頑張っております。
これからも丸中醤油をどうぞ宜しくお願いいたします。
丸中醤油 神野明